人力による運搬作業の評価
持ち上げ作業を重さではなく寸法で記録するモジュールを計画しています。荷が身体から離れている距離、手の高さ、上下の移動距離、体幹のひねり、持ち上げの頻度、作業の継続時間、握りやすさを、1 つの作業記録に収めます。
このページは、人力による運搬作業を作業ごとに記録したい労働安全の実務者、人間工学の担当者、製造や物流の管理者に向けて書いています。
このモジュールが計画している範囲
- 作業の識別どの作業を、どの部署で、どの機器を使い、1 日のどの時間帯に行うか。記録は人ではなく作業そのものに結び付きます。同じ作業を複数の作業者が行っても、記録は 1 つのままです。
- 測定する変数荷の重さ、両くるぶしの中点から手が荷をつかむ点までの水平距離、床から手までの高さ、荷が上下に動く距離、体幹のひねりの角度、1 分あたりの持ち上げ回数、作業の継続時間、握りやすさを、それぞれ別の欄に保ちます。
- 結果の記録このサイトで無料で動いている持ち上げの計算ツールが返す推奨重量の上限と負荷の指数を、作業の記録に結び付ける予定です。どの要因が上限を下げたかも記録の中に残ります。
- 様式の一式公的機関が公表している人力運搬の様式をモジュールの中で記入できるようにすることも、計画に含まれます。NIOSH の持ち上げ計算式の記入用紙、HSE の人力運搬評価表、BAuA の主要指標法における持ち上げ・保持・運搬の様式です。
- 再測定作業、機器、配置が変わっても、新しい測定は古い測定を置き換えず、その隣に書きます。改善の前後を同じ記録から読み取れます。
なぜ上限は何キログラムという 1 つの数字ではないのか
この節では、このモジュールが記録に残す問いを説明します。
人力運搬における安全な荷重は、1 つの数字では示せません。同じ重さでも、身体の近くで腰の高さから持ち上げるときと、腕を伸ばし体幹をひねって床から拾い上げるときとでは、負担はまったく異なります。
そこで計算は基準となる値から始まり、条件が悪いほど段階的に下がっていきます。水平距離、手の高さ、上下の移動距離、体幹のひねり、持ち上げの頻度と継続時間、そして握りやすさです。結果は、その作業に固有の推奨上限になります。
だからこそ記録には結果だけでなく、その結果を生んだ測定値も残します。どの要因が上限を下げたのかが分からなければ、どの改善が効くのかも分かりません。
今すぐ使える手段
モジュールが出るまでのあいだ、同じ測定はこのサイトの無料のツールと資料から行えます。
このモジュールが扱わないこと
この測定は、滑りにくい床の上で、足元が安定した状態で、条件のよい場所で両手で持ち上げることを前提としています。片手での持ち上げ、座位やひざまずいた姿勢での持ち上げ、2 人での持ち上げ、車両による運搬はその外にあります。
押し引きは別の主題で、別のモジュールとして計画しています。姿勢、反復、継続時間による負担は、このページではなく姿勢の評価が扱います。
このページが述べていること、述べていないこと
今日使えるのは測定そのものです。このサイトの計算ツール、手引き、解説のページはアカウントなしでご利用いただけます。